うつ病とは
気分がすぐれない状態が一週間以上続いたり、だんだん憂うつになったり、不安、イライラ、眠れない、食欲がない、頭が回らない、焦りが強い、などの症状が伴う場合は単なる気分の問題、いわゆる「気の持ちよう」ではなく、うつ病の可能性があります。
うつ病は決して皆同じものではなく、様々なタイプに分けられます。
しかしながら一般に言われるように「うつは脳の病気であるから薬が絶対に必要で、薬を充分に飲んで、充分に休めば必ず治る」というわけではありません。
たとえばうつ病には、幼少期からの外傷体験など心の原因があって発症に至るものがかなりあり、その場合、苦痛の元となっている心の原因を処理して健康的な心の状態に変化させなければ、完治には至りません。
うつ病の症状の代表的なもの
- 集中力、注意力、決断、思考力の低下
- 自己評価と自信の低下
- "自分は悪い人間である"、"自分には価値がない"という勝手な思い込み
- 将来に対する悲観的な見え方
- 睡眠障害
- 食欲減退
- 性欲の減退
- 死にたいという観念
うつ病の治療
現在のうつ病治療は「休養、環境調整」、「薬物療法」、「精神療法」の3つが中心となります。
まず、治療を始める前に、これまで抱えてきた仕事や家事などの荷物を少しの間下ろし、疲れたこころとからだを十分に休めることが重要であることを理解してもらいます。
そして、薬物療法によってうつ症状の原因となっている脳内アミンのバランスの乱れを調整していきます。
精神療法の中心は認知療法で、これは、患者さんの情緒の障害と密接に関連している認知の歪みを修正して、患者さんが問題を解決できるように支援する治療法です。
不眠症とは
不眠症は、「寝つきが悪い(入眠障害)」「何度も目がさめて、なかなか寝つけない(中途覚醒)」「朝早く目がさめて、その後眠れない(早朝覚醒)」「熟睡できない」「眠りが浅い」といった症状が度重なり、慢性化している状態をいいます。
睡眠には個人差があるため、7時間以上眠っているにも関わらず「眠れない」と感じる方もいれば、3~4時間の睡眠でも大丈夫な方もいます。
現在日本では、成人の5人に1人はなんらかの眠りに関する問題を抱えていると言われています。
不眠症は決してめずらしいことではなく、誰もがなる可能性のあることです。
また、うつ病など他の疾患の症状として表れる場合がありますので、睡眠薬を調節するだけでなく、原因を考えることも重要です。
不眠症セルフチェック
- 寝ている途中で目が覚めてしまい、その後眠れないことがある
- ぐっすりと寝た感じがしない
- 日中眠くてしょうがない
- 寝つきが悪く、なかなか眠れない
- 不規則な生活をしている
- 朝早く目がさめる
2つ以上当てはまる方は不眠症の可能性ありますので、まずは生活習慣の見直しから始め、症状が改善されない場合は、医師にご相談ください。
不眠症の治療について
不眠症の原因により治療法も違いますが、生活習慣の改善と、お薬による治療があります。
いずれにしても、不眠の原因である心の病気、身体的疾患、不適切な睡眠環境、心配事の治療や改善に取り組むことが重要となります。
生活習慣の改善
- 就床時間と起床時間はできるだけ同じ時間にする
- 部屋の温度や明るさなどにより睡眠しやすい環境を整える
- 音楽や読書などリラックスできる時間を作る
- 睡眠時間の4時間前に食事、1~2時間前に入浴をする
- 朝日を浴びて正確な体内時計を保つ
- 昼から夕方位までの軽い運動をして脳をリラックスさせる
- 眠る前にパソコンなどの強い光を浴びることは避ける
など
お薬による治療
不眠のタイプによって睡眠導入剤が変わります。医師と相談しながら、タイプに合わせて一定期間睡眠を助けるお薬(睡眠導入剤など)を処方します。
副作用(眠気の持越し)が少なく、依存性が低いお薬もあります。