精神科と混同されやすいのですが、心療内科は身体の病気のうち、その発症などが心理的や社会的なストレスなどが密接に関与する病気である心身症を主に対象としております。
薬物療法だけではなく、カウンセリングや精神療法により心身症を治療する科目です。
身体面だけでなく、心理面、社会面も含めた総合的な診療を行っています。
心身症とは体の病気ですが、その原因としてストレスなど心理的要因が大きいと考えられる病気のことを言います。
ストレスが溜まって胃潰瘍になるといったことも心身症の1つと言えます。
要するにストレスなどからくる身体の不調を治療する科目といえます。
「うつ病」は、いわゆる「心の弱さ」から起こるのではありません。
セロトニンなどの脳内の神経伝達物質の減少によって、引き起こされるといわれております。
これが「うつ病」の原因になるというのが現在の考え方です。
つまり、うつ病とは脳のエネルギーが枯れてしまう機能的な病気といえます。
1つの目安は、「どのくらい長くうつ状態が続いているか」ということです。
数日で回復し、また以前のような状態に戻れればうつ病の可能性は低いのですが、数週間以上続いている場合は、うつ病の可能性が疑われます。
一般的には2週間以上が目安とされています。
うつ病は単に気分が落ち込むだけでなく、仕事に集中できない、家事ができない、人付き合いがこれまでのようにできないなど、患者様の日常生活に大きな支障をきたします。
パニック障害は突然、前触れも無く、動悸や息切れ、呼吸困難、めまい、吐き気などのパニック発作が起こり、これが何回も繰り返される病気です。
具体的には、人混みや狭いところで動機が激しくなったり、息苦しくなったり、冷や汗がでたり、激しいめまいを伴うなどの心の病気です。
主に人混みなどの他にトンネル、エレベーター、地下鉄、飛行機、バスなどの場所で発症することが多いのです。
また患者様はいつまた発作が起きるか分からない恐怖心にかられ、外出できなくなるなど日常生活に支障をきたす病気です。
パニック障害は脳の3つの部分に通常とは違った変化が起きていることが原因と考えられております。
具体的には、大脳や大脳辺縁のセロトニンの分泌異常、青班核・視床下部の誤作動です。
尚、パニック障害は治療をしないと残念ながら症状は徐々に進行し、外出先での発作を恐れるあまり、引きこもりになり、うつ病などの合併症を引き起こすこととなります。
骨粗しょう症は沈黙の病気とも呼ばれており、骨折して初めて気づくケースも多々あります。
例えば、若い時と比較して身長が2cm以上縮んだ、という人は、そうでない人と比較して、骨粗鬆症の確率が10数倍高いと言われています。
身長が2cm以上縮んで、しかも背が丸くなったと感じる人は、骨粗鬆症を疑って外来受診をお勧めします。
脳血管性認知症のみならずアルツハイマー型でも、高血圧や糖尿病を良い状態に管理しておくことが、発症の予防や、進行の抑制に重要なことがわかってきています。
また、1週間に2~3回、20分程度の運動も予防に大事だということが明らかになってきています。
バランスの良い食事や、社会的交流を保つこと、美術館巡りや読書を楽しむことも有用です。
もし、認知症になった場合は、訓練のように頭を鍛えることは無益ですが楽しみの範囲で頭を使ってみることは良いと思います。
認知症というのは、一つの病気ではなく、幾つかの病気の総称です。
認知症をおこす病気で、現在、日本においても最も多いのは、アルツハイマー型認知症であるとされています。
その他に脳血管性、レビー小体型、前頭側頭葉型(FTD)などの認知症が知られています。