糀谷 大田区の老年内科 クリニック花 高齢者メンタル:妄想・徘徊・うつ・食欲低下

高齢者メンタル:妄想・徘徊・うつ・食欲低下

高齢者内科とは

高齢者は他の年代に比べて、精神的な症状がとても多く出てきます。認知症もその一つといえます。それ以外にも、妄想、引きこもり、うつ病、うつ病に伴う極度の食欲不振など命の危機に及ぶこともしばしばです。妄想によって一緒に住む家族の生活が脅かされることもよくあります。認知症に伴って徘徊を繰り返すご高齢者もたくさんおられます。今までとてもやさしくて、皆のことを配慮してくださっていたお母さまが突然変わってしまう。なぜ?なぜ?どうしたらいいの?家族はもとより、周りの方がたも本当に戸惑い、不安で苦しい毎日に変わってしまうこともあります。さて、どうしましょう?

妄想

物取られ妄想、嫉妬妄想、迫害妄想、心気妄想などいろいろな妄想があります。物取られ妄想は自分がものの置き場を忘れてしまい、それを人のせいにすることから生まれてくることも多い。よく面倒を見てくださっている介護の家族の一人を、物を取った人ということにして怒りを向けてくることもあります。介護している家族のせいにされて家族は本当に動揺します。さて妄想とは何でしょうか?老いに伴い、だれでも脳の能力が低下します。認知症とはいかないまでも物忘れもします。そして心の深いところで、自分の力がなくなってきたことをとてもふがいなく感じている。それに加え、配偶者の死、身体的な病気も起きてきます。孤独で寂しく、老いていく自分が思いに任せず情けない。苦しいのです。そこで、物がない、取られた、と順繰りに思考がゆがみながら進展してしまう、そしてそれを信じてしまう。さて、ではどうしましょうか?妄想に苦しむ、お母さま、お父様のこの深い心の痛みを、まず受け入れ理解してみてください。妄想が出てきた時には 否定も肯定もしない。うーんそう?あーそうなんだと、少しだけ時間を共にして、一緒にいてみてください。老いの苦しさ、孤独、自分では何もできなくなってしまったという情けない思いに共感してみてください。誰からも見放されたと感じて、不安が頂点に達した時に妄想は激しさを増します。わずかでいいから一緒にいて、優しく見守ってみてください。それだけで不安が少しでも和らいでいきます。私がいうほど簡単なことではないとは思いますが。

とはいえ、いろいろな状況の中で家族だけでの対応には限界のある場合が多いと思います。そんな症状でお困りの方はぜひご相談ください。非常に少しのお薬が役に立つこともあります。また、家族やケアの皆様の妄想、うつ、引きこもりへの理解と取り組み方の工夫が、少しづつ状況をよくしていくこともあるのです。

老年期うつ病

老年期は老いにより心と体の力が弱ってきます。元気の出る脳内ホルモンの量も減り、元気がなくなってくることは、当たり前といえば当たり前。そこに持ってきて配偶者との別れ、一人暮らしの孤独、病気で自由にならない体、などなどストレスは若い時よりも多くなっていく。これでうつにならないほうがおかしくはありませんか?うつをベースに引きこもりになってしまったり、また極端な場合には食事もとれなくなってしまう。さてどうしましょう?うつ状態と一言に行っても、原因は認知症の周辺症状であるときもあれば、老年期うつ病といわれるようなうつ状態もあります。まずは何が原因でうつ状態なのか診断し、正しい治療を選択していくのはどうでしょう?うつ状態も、他の病気同様、長引けば長引くほど治りにくくなっていきます。早期発見、早期治療が効をなす病気です。どうぞご相談ください。何が原因でうつ状態なのかわかれば、それに応じたお薬を少し飲むことも効果的です。デイサービスに行っていただくなどの援助を受けて、徐々に改善することもあります。もともとのその方の性格に合わせて、ゆっくりと見守っていくことが大切です。

徘徊

認知症の患者様の多くの人が徘徊を経験します。徘徊はその人にとっての散歩ともいわれますが、本当にそうでしょうか?散歩といっても、帰り路がわからなくなってしまう。体力のある人は何キロも何キロも離れたところで発見されるなどというのはよくあることです。散歩としても、間違った方角、散歩の目的が、何であったのか、すっぽりと抜けてしまうことが多い。さてどうしましょう?抑肝散という漢方薬が効果のある場合もあります。また抗認知症薬のいくつかは徘徊を減らしていきます。適度な運動をデイサービスの中でしっかりしていただくのも効果的です。人それぞれに年を取り、人それぞれに認知症をする。人それぞれのレシピを探していくことでしょうか?ご相談ください。 

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